平昌オリンピックが閉幕した。
日本で最も盛り上がった場面と言えば?
おそらく挙がるのは2つ。
1つ目はフィギュアスケート、羽生結弦の連覇のシーン。
そしてもう1つが掲題の、カーリング女子日本代表。
メディアによって「そだねージャパン」と名付けられた彼女たちの躍進だ。
いつの間にやら彼女たちは「そだねージャパン」と呼ばれるようになっていた。
試合中に「もうちょっと右かなー」「そだねー」と、愛らしく、ちょっと間の抜けた感じで会話をしていたところがお茶の間にウケ、それが愛称にまで昇華してしまった。
侍ジャパン、なでしこジャパン、スマイルジャパン、フェアリージャパン、焼き立て!!ジャぱん
等々、様々な愛称ジャパンがあるが、ほとんどはその競技の協会が名付け、無理やり広めて浸透させていったものだ。
会話中の返答を取り上げられ、それが愛称になったのは史上初だろう。
それだけ「そだねージャパン」は異質なのだ。
カーリング女子日本代表、正式な名称は?
ここで1つ疑問が生じる。
何故日本カーリング協会は彼女たちに愛称をつけなかったのか?
実は、カーリング女子日本代表には正式なチーム名がついている。
「LS北見」だ。
私は浅学にて、LSをレディースストーンズとかいうクソダサい名前で訳していたのだが、これは「ロコ・ソラーレ」の略らしい。めちゃくちゃ格好良かった。
カーリングは他のスポーツと違い、日本全国からの選抜チームではなく、1つのチームがそのまま代表として選出される。
分かりやすく言うと、サッカーで鹿島アントラーズが日本代表としてW杯に出場したり、野球で巨人が日本代表としてWBCに出場したりする、ということだ。
彼女たちは1つの地方クラブチーム「LS北見」なのだ。
そして1つの地方クラブチームでありながら「日本代表」なのだ。
「そだねージャパン」爆誕
すでに彼女たちには「LS北見」というチーム名がついている。
その上で協会が日本代表として新たな愛称をつけるのは難しかったのだろう。
しかし五輪期間中は「日本代表」であり、固有のチーム名で呼ばれることはほとんどない。
連日活躍をする彼女たち。加熱する報道。立ちはだかるメガネ先輩。
呼ばれないチーム名。独り歩きする「そだねー」。立ちはだかるメガネ先輩。
こうした積み重ねの結果が、「そだねージャパン」を生んだのである。
今から愛称を上乗せすることは困難。
そして固有のチーム名も広まるとは思えない状況。
協会はもう何もできはしない。
彼女たちは「そだねージャパン」なのだ。
彼女たちとカーリングのこれから
今やメディアの寵児となり、流行語大賞も狙えると言われている彼女たち。
このまま彼女たちを消費してしまっていいのだろうか?
協会がすべきことはここにある。
彼女たちを一時の盛り上がりとして消費させないよう尽力し、カーリングを文化として根差し、広めることこそ、協会がいの一番にするべきことだ。
恐らくあと1,2ヶ月もすれば彼女たちは忘れ去られ、残るのは「そだねー」だけだろう。
四方八方から聞こえる中身のない「そだねー」
同意しているのか、聞き流しているのか、ただ言いたいだけなのか、意味も分からず繰り返される「そだねー」
頭の悪いラッパーによって雑に扱われるSO!DA!NE!!Yeah!!!
そだねー。そだねー。そだねー。。。
こんな未来がすぐそこに見える。
1人のファンとして、今後の日本カーリング協会の動きには要注目したい。
生かすも殺すも協会次第。
「カーリングが発展しましたね」の問いに、
こう返せる日を信じたい。
「ヤップヤップ」